城下カレイ・美味の理由

天下の美味「城下カレイ」がおいしい理由

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大分県の日出という城下町で獲れる魚に「城下カレイ」と呼ばれる高級魚があります。
城下カレイとは、日出城址の南側に位置する城下海岸でとれるマコガレイのこと。城近くの海でとれ、また体表面にある丸い模様が、日出の城主木下家の紋所に似ていることから、この名がついたといいます。城下カレイは、刺身にすれば水晶のような光沢があり、味も淡白で上品なことから、古くから天下の美味として、その名が知られてきました。江戸時代には、希少で美味だったことから、一般庶民は食べることを許されず、もっぱら将軍への献上品に用いられていました。

 

それにしても、マコガレイは全国でとれる魚なのに、
なぜ日出町で獲れるものだけが味が良いのか?
一つの理由は、このカレイが、海底から湧き水が上がるポイントで育つこと。
海水と真水が混じる場所で育つ分、城下カレイは泥臭さがなく、
刺身にしても煮付けにしても美味しいのです。

 

また、城下カレイは、他の場所でとれるマコガレイと較べると、体の形が少々違います。
形が丸々していて、頭が小さく、尾ひれが角張っていないなどの特徴をもちます。

 

また日出町では、毎年5月に「城下かれい祭り」が開催され、地元の人や観光客らから
人気を集めています。カレイの稚魚放流などの各種イベントが行われるほか、
普段はめったに口にできない城下カレイを手頃な値段で味わえる賞味会が開かれる
とあって多くの人出で賑わっています。

 


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